【2023年】最低賃金引き上げに関する企業の声と対応事例

更新日：2025/08/24

厚生労働省の中央最低賃金審議会は6月30日に、2023年度の最低賃金引き上げに向けた議論を始めました。政府が掲げる「全国平均1000円」を実現するためには、初の4%台の引き上げ幅が必要となります。物価上昇が続き、企業の賃上げ機運は高まっていると言えるでしょう。

今回は、最低賃金の引き上げ前に知っておきたい世の中の企業が備えていることを解説します。

現在の全国都道府県別の最低賃金一覧
最低賃金のキホン情報を確認
最低賃金の引き上げにより懸念される人材不足
最低賃金引き上げによる人材不足に対する企業の対策
まとめ

現在の全国都道府県別の最低賃金一覧

2022年（令和4年）10月に施行された最低賃金の改定では、全国加重平均31円の引き上げが行われ、昭和53年度以降、最高額の引き上げ幅となりました。
最低賃金は毎年10月に改定があるため、2023年10月頃までは現在の最低賃金額が適用されることが見込まれます。

都道府県	目安額	最低賃金（改定額）	最低賃金（改定前）	引上額
北海道	30	920	889	31
青森	30	853	822	31
岩手	30	854	821	33
宮城	30	883	853	30
秋田	30	853	822	31
山形	30	854	822	32
福島	30	858	828	30
茨城	31	911	879	32
栃木	31	913	882	31
群馬	30	895	865	30
埼玉	31	987	956	31
千葉	31	984	953	31
東京	31	1072	1041	31
神奈川	31	1071	1040	31
新潟	30	890	859	31
富山	31	908	877	31
石川	30	891	861	30
福井	30	888	858	30
山梨	31	898	866	32
長野	31	908	877	31
岐阜	30	910	880	30
静岡	31	944	913	31
愛知	31	986	955	31
三重	31	933	902	31
滋賀	31	927	896	31
京都	31	968	937	31
大阪	31	1023	992	31
兵庫	31	960	928	32
奈良	30	896	866	30
和歌山	30	889	859	30
鳥取	30	854	821	33
島根	30	857	824	33
岡山	30	892	862	30
広島	31	930	899	31
山口	30	888	857	31
徳島	30	855	824	31
香川	30	878	848	30
愛媛	30	853	821	32
高知	30	853	820	33
福岡	30	900	870	30
佐賀	30	853	821	32
長崎	30	853	821	32
熊本	30	853	821	32
大分	30	854	822	32
宮崎	30	853	821	32
鹿児島	30	853	821	32
沖縄	30	853	820	33
全国加重平均	–	961	930	31

厚生労働省「令和４年度　地域別最低賃金　答申状況」

最低賃金のキホン情報を確認

最低賃金は、毎年の協議で決まります。最低賃金の基本情報は、特徴としては以下が挙げられます。

最低賃金の引き上げは毎年10月頃
最低賃金は時給日給・月給など給与形態で計算方法が変わるため注意が必要

最低賃金の引き上げによる企業への影響は、人件費だけではありません。従業員にも影響が及びます。人事担当者はその影響や注意点を把握しておく必要があると言えるでしょう。
以下の関連記事より、キホンを押さえておきましょう。

「人事なら知っておくべき！最低賃金引き上げで企業が受ける影響とは？」のサムネイル

最低賃金の引き上げにより懸念される人材不足

最低賃金引き上げにより、人件費の高騰がすぐに思い浮かぶ人も多いでしょう。しかし、世の中では、最低賃金の引き上げにより、人材不足を懸念する声も多く存在します。

プレシャスパートナーズの「最低賃金に関する調査」によると、約４割の企業が人材不足になると思うと回答をしています。
調査によると、パートタイム労働者は「年収の壁」を超えないように働くため、最低賃金が引き上げられることによってこれまでと同じ時間働くことができなくなり、人手不足になることを懸念していると言えそうです。